What is PLA

PLA(ポリ乳酸)とは

PLA(ポリ乳酸)は、植物や動物などの生物資源(バイオマス)を原料としたバイオマスプラスチックの一種です。従来の化石資源には依存せず、トウモロコシ、サトウキビ、キャッサバ、さらには藁といった植物由来の再生可能な資源を原材料として作られています。また、PLAは生分解性を持ち、適切な条件下であれば、廃棄後は自然に分解されるため、石油系プラスチックの代替物として、食品包装や容器、繊維製品などの幅広い分野で利用されています。

藁からも作れるPLA

従来、PLAはデンプンを多く含むトウモロコシやサトウキビなどの食用植物を原材料としてきました。そのため、日本国内では原材料の多くを輸入に頼ってきた経緯があります。しかし、技術の進展により、現在では非食用の農業廃棄物である藁を原料にしたPLAの製造も可能になっています。

藁は農業活動の副産物であり、通常は廃棄や焼却されることの多い資源です。この副産物を有効活用することで、廃棄物削減と資源の有効活用を同時に実現できます。また、食糧生産との競合リスクを低減し、原料供給の安定性が向上します。農業廃棄物の利用は、低コストで持続可能な生産を支えるだけでなく、農業従事者への新たな収入源にもなります。

さらに藁の活用は、CO2排出量削減にも貢献可能です。通常は焼却される藁がPLAの原料として使われることで、大気中の炭素排出を抑制する効果が期待されます。この技術は、環境保護と経済的利益を両立させる革新的な取り組みとして、世界中で注目を集めています。

当社製品は一部藁由来のPLAを使っております。

環境特性

低炭素フットプリント
PLAの製造過程は、従来の石油系プラスチックに比べてエネルギー効率が高く、製造時のCO2排出量も少ないため、地球温暖化の抑制に貢献します。また、原料である植物が成長する過程では二酸化炭素を吸収するため、生産から廃棄までのカーボンフットプリント全体で見たときにも、温室効果ガスの排出量は低いといえます。
再生可能性
PLAは、トウモロコシ、サトウキビ、キャッサバなど、植物由来の再生可能な資源を原料とし、農業廃棄物である藁からも製造可能。石油系プラスチックに依存しない持続可能な素材です。
生分解性による土壌と水、生態系保護
PLAは特定の条件下で自然に分解される生分解性を持ち、廃棄物問題の軽減に貢献します。産業用コンポスト施設などで適切に処理されると、数週間から数か月で水と二酸化炭素に分解されるので、自然環境に無害です。また、土壌や水源への有害物質の流出を防ぎ、野生生物の誤飲による窒息のリスクも軽減するため、生態系保護に寄与します。
廃棄物管理コストの改善
PLAはリサイクル可能な素材です。適切な再利用システムを整備すれば、産業廃棄物の削減に貢献できます。また、産業用コンポスト施設で処理すすれば堆肥化が可能であり、有機廃棄物とともに堆肥化プロセスに利用できます。
燃焼時の低有害物質排出
PLAは燃焼時に有害なガス(例:ダイオキシンやフラン)をほとんど発生しないため、燃焼処理による環境負荷を軽減します。クリーンな燃焼特性が求められる場面でも、安全に処理が可能です。
エコデザインの推進
多くのPLA製品はエコラベルを取得しており、消費者にとっては環境にやさしい選択肢としての認識が進んでいます。企業におけるPLAの利用は、持続可能な製品設計と製造プロセスを推進し、企業の環境意識向上に寄与します。

製品特性

力学的特性
PLAは、一般的なプラスチック製品と競合できるほど剛性が高く、硬い仕上がりにすることができます。熱可塑性樹脂なので、射出成形、押出成形、ブロー成形などの加工も容易。強度が求められる製品や部品に使用でき、耐久性も備えています。日常製品から耐久性が求められる部品に至るまで、幅広い用途に対応可能です。
耐熱性
改良型のPLAや添加剤を使用することで、耐熱性が向上した製品も開発されています。これにより、食品容器やカトラリーなど、温度変化に対応できる製品にも応用可能です。
バリア性
酸素や二酸化炭素に対するガスバリア性にも優れており、食品や飲料の容器などに使えば、酸化を防ぎます。ただし、水蒸気バリア性はやや低いため、用途によっては他の材料との組み合わせが必要です。
生体適合性
PLAは無毒です。生体に安全な素材であり、食品包装や医療分野での使用が進んでいます。食品や薬品と接触しても問題のない素材であるため、手術用糸、ドラッグデリバリーシステム、吸収性インプラントなどといった医療用途にも適しています。
透明性
PLAは高い透明性を持ち、クリアな外観が求められる製品や包装に適しています。この特性により、見た目の美しさやデザインの自由度が広がります。
色彩の多様性
PLAはさまざまな色に染めることができ、色彩の自由度が高い素材です。これにより、製品デザインの幅が広がり、視覚的な魅力を高めることができます。
上部へスクロール